冷徹な傷
-復讐劇の序奏-
嫌な予感がする。
とても嫌な予感。
背中に冷たい汗が一滴流れた。
ふと頭をよぎったのは、愛。
私の大切な人。
愛だけは、なにがあっても守ると私は決めたの。
でも、こんなときに頭をよぎるなんて
…愛になにかあったとしか思えない。
そのとき、私の携帯がなった。
この着信音は…
誰かが言った。
嫌な予感ほどよく当たる、と…
「はい、桜華です」
『…っ桜華ちゃん…?
私、愛の…母です…
あのね、っ愛が!学校の屋上から落ちて、
それで…意識がないの…っ』
やっぱり愛になにかあったんだ…
「なんで愛が!?
愛はそんなことする子じゃないですよね…?」
『体に痣とか、打撲がたくさんあって
…いじめられてたんじゃ、ないかってっ…』
「今からそっちに行きます。
待っていてください。」
『わかったわ…。』
愛…なにがあったの?
あなたはいじめられるような子ではないはずよ…
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