好き!嫌い!好き?
「やっぱり…大樹先輩のこと気になるんでしょ?素直じゃないんだから…」

「違うよ!ただ…意外だなぁって。彼女居そうなのに」

「まぁ…あれだけ格好いいもん。彼女いてもおかくないよね~」

「でしょ!?」

…って何であたし相槌打ってるの??

……まっ、いっか。

…………し~ん。

「そろそろ…帰る?」

先に言葉を発したのは優美だった。

「そーだね~」

「じゃ、帰ろっか」

「うん」

机の横に引っ掛けてある鞄を持ってあたし達ふたりは教室を後にした。

「ねぇねぇ、帰る前にちょっとグラウンド見ていかない?」

「えっ!?ちょっ…優美!?」

「嫌なの~?」

「そういう訳じゃないけどさ…」

「ならいいじゃん!ねっ!?行こうよ!!」

そう言って優美は突然走りだす。

「優美~!待ってよー!」

優美は走るのがかなり速い。

さすが陸上部

ちなみにあたしと優美の家は同じ方向だから当然一緒に帰る。

でも…優美は部活に入ってるけどあたしは入ってないから…。

「一緒に帰るなんて滅多に出来ないのに…」

なんて少し拗ねてみたり。

「もーっ!桃花遅いよー!!」

「優美が速すぎるだけでしょ?」

「そんなことない!普通だよ?」

「陸上部の普通と同じにしないでよ…」

「はーやーくー!!」

「はいはい」

こういう時だけせっかちなんだよなぁ…優美って。

「先行っちゃうよぉ~?」

そう言って優美は再び走り出そうとする。

「ま…待ってぇ!」

そんな優美の元に、あたしは急いで向かう。

「桃花…相変わらず体力ないねぇ…」

呆れたように言わなくても良いじゃん!

「だって…」

「ほら…早く行こーよ!!」

ちょっ…遮らないでよ…。

…って

「ちょっ…優美…引っ張らないで!」

あたしの腕を掴みぐいぐい引っ張っていく優美。

「だって桃花遅いんだもん♪」

語尾に♪を付けて言われても…。

ていうか…

目の前には…

階段!

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