センセイ
「あっ、平山!」
狭い扉をすり抜けて、私は一番近くの玄関から学校の外へと飛び出した。
走り出した身体に、夏の熱風が吹きつける。
汗がじんわり流れて、涙やいろんなもので顔中がぐしゃぐしゃになって。
「…っ、ふ、うぅ…っく」
私、汚い。
何もかも全部、汚くて嫌な子だ。
センセイにしてみたら、最低で顔も見たくないくらいの、黒く汚れた生徒だ。
本当は違うのに…
こんなことがしたかったんじゃなくて、私はセンセイに…
ただ好きだって、それをわかってほしかった。
私だけを見て、真っすぐに構ってほしかった…