センセイ
「お、それオレの白衣だな。なかなか似合うじゃないか」
私のことをチラッとだけ見ると、その様子を誤魔化すようにセンセイは自分の実験のための準備を始めた。
どうして困ってくれないの?
どうして世話のやける奴だって、呆れてくれないの?
悪いことをすれば、センセイは私のことを思って真剣に悩んでくれるんでしょ。
真っすぐに向き合って、一緒に考えてくれるんでしょ。
だから私は、センセイにとって不真面目な生徒だって、認めてもらわなきゃいけないのに。
それなのに…
センセイの私に対する態度は、いつもと変わらなかった。