七つの星の落し物
ベンチには小さな子供が母親と一緒に座っている。
絵本を見ているようだが子供はあまり嬉しそうではない。

母親は手にした計算機のようなモノに何か打ち込む。

すると、たまりかねたように子供は口を開いた。

「※※※※※!」

何か言ったのだ。

でも子供の口からは声は出ず、その代わりに 黒いアルファベットのようなものが、ポロポロとこぼれ出た。

そしてそれは、地面を飛び跳ねながら吸い込まれるように、通りの彼方へ消えた。

(え? 何? どうしちゃったの?)

母親は困ったように首を横にふる。

子供はイライラした様子で絵本を放り投げた。

絵本はリゲルのすぐ前に落ちる。


(あれ? この絵本…)


その絵本には文字がなかった。

でも、最初から絵だけの本ではなかったようだ。
その証拠に、所々不自然に数字や記号が書かれている。

(文字だけが抜けている?!)
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