君と手を繋いで



「待てぃっ!!」


逃げようとした私の襟首を再び逃すかと引っ張られる。



やばいっ!!
そう思った私は、片言の日本語で、宮っち訴えかけた。


「セ、センセイ、ワタシ、オナカガ「片言で喋ってもダメだ。」



ちっ。


「今、舌打ちしたか…?」


恐い笑みをうかべる宮っちに、大袈裟に目を見開いてびっくりした顔で、
「そんな!!宮林大先生に向かってめっそうもない!!」と言うと、



「はははは!!そうだろうな!!まさかこんな偉大な俺様に向かって逆鱗に触れることはやるまい。」

両手をそれぞれ腰にあてて、のけ反るようにして笑っている。


「……。あのー、そろそろ帰ってもいいですか?」

今でもガハガハ笑っている宮っちに控えめにもう一度聞くと、


「いいわけないだろう!!この阿呆!!
日ごろの行いの罰として、今から教室掃除しろ!!」


がらりと急に態度が変わり、いつも通りな宮っちに戻る。



「何で!?私、日頃良い行いしかしてないのに!?」



「いつも俺の授業(数学)中に毎回寝るのが日頃の良い行いなのか!?」



「睡眠しながら先生の話、聴いてますよ」



「……夢見ながらな。
そんなの聞いてるうちに入らん!!」



「…じゃあ、睡眠しながら学習してます。略して、睡眠学習。」



「じゃあ、って何だ!!じゃあって!!
お前適当に答えるな!!
略してもそのままじゃねーか!!」



「ザ・睡眠学習、サイコー☆」


「人の話を聞けっ!!」





……このコントみたいな会話、いつまで続くのかな……。



< 4 / 34 >

この作品をシェア

pagetop