ブルーストーンは永遠に
公園の木々は十一月になろうというのに、緑の色彩がまだ多く残されていて、いま写真を撮れば、まだ九月ぐらいに騙せそうだった。
「じゃあ、俺ンところはまだ恵まれてる方なんだな。サッカーは試合やろうと思えば一度に二十二人も参加できるわけだし」
ぼくが笑って言うと、彼女もぼくの表情を写したようにして、「そうだよ」と言った。
肌の感じる感度は、暑さから涼感に変わっていた。
枝には落ちそこなった薄茶色の葉が風に吹かれてぎこちなく揺れていた。
あれから、ゆかりと話す機会が多くなった。
話すと言っても部活も違うし、クラスも別なので、廊下で挨拶を交わしたり、部活の帰りに偶然あった時に程度で、プライベートで二人揃って出かけたりするこなどはなかった。
それでもぼくの心は高揚した。
夢で見るゆかりの姿が、一夜のうち何度も現れては消えてゆく。ついには服が脱げ落ち小麦色の艶を持った肌があらわになったりする。
一度でいいから、数秒でいいから抱きしめてみたいと切に思った。
しかし、そこまで想像してしまう自分に恥ずかしさと情けなさが心の中に芽生えて、自責の念にとらわれたりもした。
初雪が薄っすら雪化粧に包まれたのは大晦日の陽が沈んだ頃だった。
母さんは大晦日恒例のすき焼きの用意をしていたが、しょうゆを買い忘れたことに気づくと、迷わずにぼくを呼びつけ、お使いに走らせた。
ベージュのマフラーを巻き、自転車のキーをさしこむと、ロックされていた後輪のワッカが小気味のいい音を立て引っ込んだ。
漕ぐと淡雪が顔に気持ちよく降り注いだ。体の温もりですぐ消えた。
一番近くにあるスーパーまでは自転車だと5分くらいの距離だった。
大晦日だけあってさすがにまだ買い物客が多くて、手に提げている買い物袋は普段より膨らんで見えた。
「じゃあ、俺ンところはまだ恵まれてる方なんだな。サッカーは試合やろうと思えば一度に二十二人も参加できるわけだし」
ぼくが笑って言うと、彼女もぼくの表情を写したようにして、「そうだよ」と言った。
肌の感じる感度は、暑さから涼感に変わっていた。
枝には落ちそこなった薄茶色の葉が風に吹かれてぎこちなく揺れていた。
あれから、ゆかりと話す機会が多くなった。
話すと言っても部活も違うし、クラスも別なので、廊下で挨拶を交わしたり、部活の帰りに偶然あった時に程度で、プライベートで二人揃って出かけたりするこなどはなかった。
それでもぼくの心は高揚した。
夢で見るゆかりの姿が、一夜のうち何度も現れては消えてゆく。ついには服が脱げ落ち小麦色の艶を持った肌があらわになったりする。
一度でいいから、数秒でいいから抱きしめてみたいと切に思った。
しかし、そこまで想像してしまう自分に恥ずかしさと情けなさが心の中に芽生えて、自責の念にとらわれたりもした。
初雪が薄っすら雪化粧に包まれたのは大晦日の陽が沈んだ頃だった。
母さんは大晦日恒例のすき焼きの用意をしていたが、しょうゆを買い忘れたことに気づくと、迷わずにぼくを呼びつけ、お使いに走らせた。
ベージュのマフラーを巻き、自転車のキーをさしこむと、ロックされていた後輪のワッカが小気味のいい音を立て引っ込んだ。
漕ぐと淡雪が顔に気持ちよく降り注いだ。体の温もりですぐ消えた。
一番近くにあるスーパーまでは自転車だと5分くらいの距離だった。
大晦日だけあってさすがにまだ買い物客が多くて、手に提げている買い物袋は普段より膨らんで見えた。