princess~私の宝物~
利香、ごめんね。私がもう少し早く家に来ていればよかった。

「利香・・・。大好きだよ*ずっと一緒にいようね。ずっと友達でいようね。利香が寂しいとき、あたしがそばにいてあげるからね。利香ママ早くなおればいいね、早く一緒に学校行きたいね」


利香はずっとうなずいていた。

「ありがと」

小さな声で言った。

利香のつらさ。私には直接分からないけど、泣いている利香を見ると、分かる気がする。

今、利香のそばにいれるのは私だけ。お母さんでもお父さんでもない。

利香が誰にも見せなかった涙を流した。私にだけ正面でぶつかってきてるって思うと本当に嬉しかった。



人は「愛」を貰わないと生きていけない。抱きしめあわないと分かち合えない。

喜び、悲しみ、怒り、寂しさ。

全てを分かち合えた私と利香は、本当の親友になれた気がした。


< 83 / 138 >

この作品をシェア

pagetop