ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
真っ暗すぎて、お互いの顔は見えない。
「オレ、ただ楽しみたかっただけなんだ。だけど、稀衣ちゃんが全然笑わないと、楽しくないんだ」
……え。
あ、あたし…?
「あたし、元々そんなに笑わないよ?」
「そ、そーだけどっ」
「そこ否定しないんだ?」
「いやいやっ、そーじゃなくてっ!」
……ぷ。
本気になってるワンがおかしくて、口元が緩んだ。
「ごめん。意地悪した」
あたしが謝ると、ワンは俯きがちに、コクンと1度だけ小さく頷いた。
「ねぇ、分かってんの?」
「え…なにが?」
キョトンとしただろうワンに、分かってたらこんなことになってないか、なんて冷静に考える。
「今ワン、モテてんだよ?」
暗闇に少しずつ目が慣れて、ワンのシルエットがハッキリ分かる。