ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



「ずっと笑わないから、どういうふうに笑うんだろうって、考えてた」



な、なにそれ?



転校初日も、そんなことを考えていたんだろうか。



「しゅ、趣味悪い。人が笑うところ想像するなんて」

「なんで?」



そう言って彼は、キョトンとした顔で首を傾げる。



「だって、人が笑ってんの見たら、こっちまで嬉しくなるじゃん」



そうやって今度は、本当に嬉しそうな顔して言った。



「いや、それアンタだけだから」



なんだか、不意をつかれたみたいで悔しい。



こんな物好きな、犬なんかに。



「そーなの?」

「もういいから、服合わせさせてよ」



少しでも焦ってる、自分が悔しい。



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