ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
「はい、そーみたいです」
「え、ちょ、鮎沢先輩?!なに勝手に…」
「ジョーダン、だよ」
安藤に手伝ってもらおうなんて、最初から思っていない。
頼むくらいなら、1人で運ぶ。
後でワンが知ったら、嫌な顔しそうだし。
先生から地図を受け取り、ベッドに寝ているワンに振り返った。
「…え、ちょっと安藤…?」
「うわ、なんだこの人。軽すぎ」
振り返ったその先には、すでにグッタリしたワンを背負ってる安藤がいた。
「じゃ、行きますか」
「なに言ってんの?!」
「横井先輩のためにも、急いだ方がよくないですか?」
「っ」
なにも言い返せなくなったあたしは、スタスタと先をいく安藤の後を追うしかなかったのだった。