ワンラブ～犬系男子とツンデレ女子～

【kie※side】



…………。



暗くなった道を、喋るのがやっとの安藤の道案内で歩く。



なんだか空気が悪いのは、真ん中に安藤がいるから？



それともなにか、別の理由？



「…ねぇ」



いつもよりト音の低い、ワンの声。



ワンに少しだけ視線をやったけど、ワンはあたしを見ることなく前だけを見ていた。



「稀衣ちゃん、今まで何してたの？」



……え。



その瞬間、あたしの心臓が強く脈打った。



何してたって…安藤に返事してたけど。



なんでそんな顔で。



「別に…」



なんでそんな冷たい声で聞くの。



なんでこっち１回も見ないの。



いや…今目が合っても、いろいろ困るけど。(←どっちだよ)