ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



「…そっか」



それだけしかワンは聞いてこなかったけれど、あたしへのダメージには十分だった。



だって、何もしないのに放課後残ったりなんてしない。



何もしないのに、一緒にいるなんておかしい。



「…俺が…俺が昨日告白したんです…だから鮎沢先輩は…」



“―――ズルッ”



「ちょ、安藤!」

「え?告白…?」

「その話しは今はいいから、ワンもそっちしっかり持って!」

「う、ウン」



安藤が寝ちゃう前に、家に届けないと。



―――――………



「本当にありがとうねぇ。またお礼させるから」

「いえ、大丈夫です!じゃ、失礼します」



安藤の家を後にしたあたしたちは、無言のまま歩く。



途中までは、帰り道が一緒だ。



空気が、重たい。



とは、こういうことを言うんだな。







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