ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
【kie※side】



“―――ガコンッ”



ボタンを押すと、中で缶が落ちる音。



しゃがんで落ちてきた缶をとる。



お風呂上がり、自販機で飲み物を買って部屋に戻る途中。



「……あ」



海が見えるバルコニーにたたずむ、見慣れた後ろ姿。



カンを開けようとした手を止め、あたしもバルコニーに出た。



「…何してんの?」

「あ、稀衣ちゃん」



振り返ったワンは、あたしを確認するなり微笑んだ。



海風が吹く、涼しい夜。



潮の香りと、波の音。



「え、牛乳?」

「ウン」



ワンの手には、紙パックの牛乳が握られていた。



「好きなの?」

「おいしいよね、好きなら」

「はは、なにそれ」



好きじゃないなら、違うの買えばいーのに。



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