ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
分かってるのに。
よく分かってるのに、どうして平然としていられなくなるのだろう。
頭ではちゃんと、分かってるのに。
「稀衣ちゃんっ」
!!!
あたしの足が、ピタリと止まる。
それに少し遅れて、走ってきたワンの足音も止まった。
さすがにこの距離じゃ、息もきれてはいない。
「…なに?」
「なにしてたの、安藤と2人で」
なにって。
「言ったでしょ、委員会だって」
聞きたいのはこっちだよ。
「でもアイツに、迫られてたじゃんっ」
「あれは安藤が…っ」
いや、安藤1人のせいじゃない。
押し返そうと思えば、押し返せたんだから。
「安藤がなに?」
「安藤が、躓いたから」
「躓いた?」
「うん」