ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
しばらくして、ワンと高城のクラスvs1年生のクラスの試合が始まった。
ワンも高城も出ている。
ワンはなんて言うか…さすがだ。
運動神経の良さと体の柔軟さを上手く使い、ディフェンスをかわしていく。
なんて身軽な体なんだろうと、あたしは改めて驚く。
かなり見入っていたあたしは、麗奈の視線にしばらく気づかなかった。
「鮎沢ちゃん、仲直りしたら?」
もちろん麗奈は、あたしとワンがケンカしたままだということを知っている。
「な、なに急に?」
「だってさぁ、ワンを見つめてるその顔、ただの恋する乙女じゃん?」
正直、ワンに対して怒ってるのかといえば、当初ほどではない。
むしろ時間がたったせいで、熱など完全に冷めたくらいだ。
ただその時間のせいで、きっかけがつかめない。