ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
なにをする気なんだろう。
素人のあたしには、作戦だとかそういったものはさっぱりだ。
「マコがあそこにいることで、安藤達は大きなパスが出せなくなんだよ」
たまたま側にいた佐倉は、あたしの心の内を読み取ったようにそう言った。
「やっぱり作戦なんだ」
「そ。身長も技術も敵わないの分かってらからこそのな」
それだけ言うと、佐倉はまたホイッスルを吹いた。
その目は常に試合の流れを捉えていた。
佐倉も賭けの主催者として、この試合に本気なのだろう。
ほんと好きだよね、あたしとワンで遊ぶの。
気が付けば体育館は、ものすごい量の観客だ。
デートを賭けた決勝話しはあっという間に広がり、みんな興味本意でのぞきに来ている。
本気なのは、あの2人くらいだよ。