ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



ワンの異変に気付いた。



もしかして足、怪我してる…?



そう思って注意して見ていると、疑いは確信へと変わった。



左足を庇うような、不自然な動き。



しきりに左足を気にしている。



痛いんだ。



「ワン!」



試合の合間、1人体育館から出ていこうとしているワンの背中を呼び止めた。



振り返ったワンの顔を見て、なんだかひどく久しぶりな気がした。



「…足、大丈夫なの?」



ワンは驚いたのか、しばらくなにも言えないようだった。



「え…なんのこと?」

「痛いんでしょ?」

「…痛くないよ」

「もういいよ」

「いいってなにが…」

「勝ち負けなんてどうでもいいよ。痛い思いしてまで、試合なんてでなくても」



見てるこっちが、痛いよ。



< 454 / 606 >

この作品をシェア

pagetop