ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
残り時間もあとわずかとなった時。
安藤がまた3ポイントを決めた。
これで点差は4点となる。
時間もない。
ましてや安藤のチームから4点をとるだなんて、そんな簡単にいくはずもない。
ワンの足だって限界だ。
試合時間は残り10秒を切った。
「ワン、いけ!」
高城がワンにボールを託した。
たとえ今ゴールが決まったとしても、点差は4点。
結果は見えたも同然。
それでもワンは、遥か遠くのゴールへと、ボールを放り投げた。
体育館で試合を見ていた全員が、いつしか真剣にそのボールを目で追ったと思う。
それほどの 静けさだった。