ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



そして怒るわけでも、冷たくあしらうわけでもなく、一言だけ。



「…私は独身よ」



え。



ちょっと、それはないでしょ。



「なに。いきなり独身をアピールして。それは俺と結婚したいってこと?」



俺が意地悪く笑うと、彼女はみるみるうちに赤くなっていった。



「…ふざけないで」



頑張って落ち着いた声を出し、頑張って熱いコーヒーを飲んだ。



学校ではいかにも堅物そうで、絶対に笑わない南先生が。



今は隙だらけに見えた。



「恋愛する気ないんだ?」

「なんでそんなことあなたに」

「答えろよ」



指輪のことを、根掘り葉掘り聞こうだなんて、そんなことは思っていない。



ただ、12月24日のクリスマスイブに、一人で喫茶店のコーヒーを啜ってるなんてさ。



12月24日のクリスマスイブに、一人で喫茶店の店番してる俺と、同じくらい寂しいだろ?



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