ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
俺は重ねているのか?
「別に興味ない訳じゃないわ。ただ…」
「ただ?」
「……苦手なのよ」
「なにが?」
「人と話すのだとか、会話だとか…」
もともと、口数の多いってわけじゃないんだよな。
「それでも1人だけ、笑いかけてくれた人がいたわ」
………。
「元婚約者?」
「えぇ」
彼女はためらいなく頷くと、カップのコーヒーをすすった。
落ち着いていて、クリスマスとは思えないほど静かな空間が、そこにはあって。
俺は、バイト中であることを忘れてしまいそうになるくらい、彼女といれる事が嬉しかった。
別に、会話もなにもなくていい。
この空間が、落ち着くから。
それからしばらくして、オーナーが帰ってきて。
彼女は一年遅れの報告をした。
オーナーは優しく笑っていた。
ま、別にバツイチになったわけでもないし、若いし、キレイだし。
本人がその気になれば、いくらでも相手はいるだろうよ。