ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
「それだったら、ワンの方があると思うけど」
あたしはワンのいた花壇の方へ、目をやった。
そこには、ワンともう1人。
顔に泥をつけた、女の子。
「え…あれいいの?」
あれは確か、ワンと同じクラスの大場さん。
「別に一緒にいるだけじゃん」
「そ、そうだけど…!」
こないだみたいに、腕を組んでるわけでもないし。
別に気にはしない。
「じゃ、あたしそろそろ行くから、早く自分の学校に帰んなよ」
正くんは、まだなにか言いたそうな顔だったけど、あたしは背を向けて歩き出す。
「…あ、それともう1つ」
「え?」
「選んだから、ワンなんだよ」
キョトンとしてる正くんにそれだけ言って、食堂へ向かった。
そう、選んだから。
あたしに選ぶ権利があったんだとしても。
きっとワンを選んだ。
自分にとって大事ななにかを、自分で選択する。
そんなことは、初めてで。
だから余計に、どうしたらいいのか分からなくて。