ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
どうしよう。
顔があげられない。
あたし、呆れられた?
今までで1番、ワンが“男”に見えた。
もうとっくに、あたしには犬になんて見えない。
「……ゴメンっ」
?!
「…怖がらせるつもりじゃなかったんだ、ゴメン」
ワンはあたしの前に頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「でも、すっげームカツいて、一瞬制御できなかった」
今度は、拗ねた子供のような顔をする。
「なんで正にキスされてんだよ…」
ワンは弱々しく、消え入りそうな声で呟いた。
「………」
前にも1度、ワンに言われたことがある。
『稀衣ちゃんは、無防備だ』
あの時は、その言葉の意味なんて、深くは考えなかった。
ワン熱出して倒れる寸前だったし。
だけどあれは、きっとこーいう事だったんだ。
あたし、ワンを傷つけた。