ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
怒ってる、よね?
「ワン…?」
ワンはそのままなにも言わずに校舎に入り、下駄箱から一番近い水道の前で、あたしをおろした。
そして自分の制服の袖を蛇口で濡らし、あたしの口をゴシゴシこする。
「んん、ワ…ン、痛い…!」
力が強い。
ワンって、こんなに力が強かったんだ。
「…だから、言ったんだ」
「………」
「稀衣ちゃんは、隙だらけだ」
そう言って悔しそうに唇を噛み締めたワンは、あたしを壁に押し付けた。
掴まれた手首が痛い。
「ワン、痛い…」
たけどワンは力を緩めることなく、あたしに唇を重ねた。
いつもと違う。
激しいキス。
抵抗なんてできない。
ワンがあたしを、追いつめてく。
だけど、あんな顔をさせたのはあたし。
君をここまで追い詰めたのはあたしの方だ。
「はぁ…っ」
唇を離した途端、あたしは全身の力が抜けて、ヘナヘナとその場に座り込んでしまった。