ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



大切な人が生まれた日だから。



だから今年こそは、ちゃんと祝いたかった。



だけど現状は最悪。



「今年こそはって、思ってたのに…」



あまり気が乗らないスキー合宿に参加したのも、ワンの誕生日とかぶってたから。



「ごめんワン。せっかく誕生日なのに、こんなことになって」

「稀衣ちゃんのせいじゃないじゃん」

「茜は結局見つからないし、助けも来ない」

「あ!」

「?」

「大河なら大丈夫!ここにくる前に、郁也と会ってたみたいだから」



へ…?



「じゃ、とっくに嘘だって知ってたの?」

「たぶん」



はぁ…。



なんだ、愛実ちゃんの嘘って知ってたんだ。



完全にあたしの空回り。



「もう最悪…」

「最悪、なんかじゃないよ」



うつむいたあたしの顔を、隣からワンがのぞき込んだ。



< 576 / 606 >

この作品をシェア

pagetop