ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
【kie※side】



「……はぁ…」



お父さんたちはまだ夕方だと言うのに、お酒が入ってすっかりパーティーを楽しんでる。



だったらあたしだって、いいでしょう?



郁也も自分の家に帰ったし、問題ない。



抜け出すのは、意外にアッサリと成功した。



だけど急がなきゃ。



ワンはきっと、時間より早くから待ってると思うから。



「…いた」



噴水のふちに、両膝を立てて座ってる。



「…ごめんっ、遅くなって…!」



少しだけ乱れた呼吸を整えながら、ワンに近づいた。



「…んーん」



ゆっくりと顔を上げて、笑っ…



え?



笑うと思ってたのに。



今、笑わなかった…?



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