ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
これで2回目になる。
キスしたワンを突き飛ばしたのは。
「…なんで笑わないの」
「…え?」
「なんか今日のワン、好きじゃない」
あたしは、手に持っていた紙袋を強引にワンの膝の上に置き、走って公園を出た。
街はこんなにも賑やかで暖かいのに、あたし達の間の空気はひんやりと冷たい。
いつも君が照らしてくれて。
いつも暖かくしてくれて。
あたしはそれに、頼りっぱなしだったのかな。
「……はぁ」
白い息が寒空に溶けていく。
こんなつもりじゃ、なかったのに。
あんな渡し方するつもりじゃなかったのに。
「ねーそこの人、俺達合コン失敗しちゃって暇なんだよね」
「相手してくれない?」
おまけに、変なのに絡まれるっていう。