アリスズc
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「お帰りなさい、エンチェルク」
ウメは、嬉しそうに目を細めた。
「ただいま帰りました」
エンチェルクも、自然に笑みを浮かべていた。
距離感の計りづらい人ではあるが、彼女は冷たい人ではない。
それどころか、これほど自分に対して愛情と親密さを感じる気を、発してくれているではないか。
まるで、深い友達のような、あるいは家族に近いような。
「痩せましたね」
気になることと言えば、そのくらいか。
理由は、モモから聞いていたいたものの、そこは自己管理で何とでも出来るはずだ。
「ええ、桃にも叱られたわ…いまは、必ずコーが空腹を訴えるから大丈夫よ」
桃の脇から、ひょこっと顔を出す白い髪の女性。
前に見た時と変わったことと言えば、髪が全て真っ白になったくらいか。
だが、本当に変わったのは見た目ではなく。
「梅は、『おなかがすきましたね』、とは言わないので困ります」
彼女が、天真爛漫にそう言った瞬間。
エンチェルクは、ぎょっとしたし、モモもそうだった。
綺麗な言葉を使っているという、事実で驚いたわけではない。
彼女がウメの真似をして言った、『おなかがすきましたね』という言葉の部分が──ウメそのものの声で聞こえたからだ。
そんな二人に、本物の声の持ち主が苦笑を浮かべる。
「トーに習っている内に、人の声も動物の鳴き声も使えるようになってしまったのよ」
そっくりそのままの音を出すという。
そ、それは。
一瞬だけエンチェルクは、彼女の声がとても利用価値が高いという考え方をしてしまって、慌てて止めなければならなかった。
「ウメ…その癖は、あえて抑えるようにさせた方がいいと思います」
ヤイクやテルに知られる前に。
国のために働くとは考えたが、何もかも利用して、ということは考えていない。
コーは、微妙な立場の人間だからこそ、隠しておいた方がいいこともあるのだ。
彼女のためにも。
そうしたら。
ウメが、嬉しそうに微笑んだ。
「ええ、そうした方がいいわね」
何が──嬉しかったのだろうか。
「お帰りなさい、エンチェルク」
ウメは、嬉しそうに目を細めた。
「ただいま帰りました」
エンチェルクも、自然に笑みを浮かべていた。
距離感の計りづらい人ではあるが、彼女は冷たい人ではない。
それどころか、これほど自分に対して愛情と親密さを感じる気を、発してくれているではないか。
まるで、深い友達のような、あるいは家族に近いような。
「痩せましたね」
気になることと言えば、そのくらいか。
理由は、モモから聞いていたいたものの、そこは自己管理で何とでも出来るはずだ。
「ええ、桃にも叱られたわ…いまは、必ずコーが空腹を訴えるから大丈夫よ」
桃の脇から、ひょこっと顔を出す白い髪の女性。
前に見た時と変わったことと言えば、髪が全て真っ白になったくらいか。
だが、本当に変わったのは見た目ではなく。
「梅は、『おなかがすきましたね』、とは言わないので困ります」
彼女が、天真爛漫にそう言った瞬間。
エンチェルクは、ぎょっとしたし、モモもそうだった。
綺麗な言葉を使っているという、事実で驚いたわけではない。
彼女がウメの真似をして言った、『おなかがすきましたね』という言葉の部分が──ウメそのものの声で聞こえたからだ。
そんな二人に、本物の声の持ち主が苦笑を浮かべる。
「トーに習っている内に、人の声も動物の鳴き声も使えるようになってしまったのよ」
そっくりそのままの音を出すという。
そ、それは。
一瞬だけエンチェルクは、彼女の声がとても利用価値が高いという考え方をしてしまって、慌てて止めなければならなかった。
「ウメ…その癖は、あえて抑えるようにさせた方がいいと思います」
ヤイクやテルに知られる前に。
国のために働くとは考えたが、何もかも利用して、ということは考えていない。
コーは、微妙な立場の人間だからこそ、隠しておいた方がいいこともあるのだ。
彼女のためにも。
そうしたら。
ウメが、嬉しそうに微笑んだ。
「ええ、そうした方がいいわね」
何が──嬉しかったのだろうか。