【短編】 曇り空
俺はそのまま教室に戻った


「あれ?帰ったんじゃなかったの?」


和史が不思議そうに俺をみた

「帰りそこなった。」

俺の言葉に首をかしげる和史

「なんかあったの?」

「・・・・なあ、保健医って誰かわかる?」

俺の頭の中はあの女の事でいっぱいだった

「保健医?斉藤は産休だから・・・・
今は臨時の人が入ってるでしょ。


たしか・・・


一之瀬美紅って子供みたいな女。」


“一之瀬 美紅”

生まれて初めて

女に興味を持った・・・


その日の放課後



俺は柄実にもなく

保健室に向かっていた。
< 10 / 52 >

この作品をシェア

pagetop