ナンセンス!
携帯が、鳴った。
星野からのメールだ。
『 そのまま寝るなよ? フロには、必ず入れ。 ただし、目隠ししたままだ。 こっちは、とりあえず、今日はやめておく。 男なら、一日くらい入らなくても、構わないだろう? 』
・・・ナンちゅう、無理難題を言って来るんだ、アイツは。
どいつもコイツも、好き勝手しやがって。 はい、はい・・ 分かりましたよ。
今日は、風呂には入らない、と決めていた僕は、既にベッドに入っていたが、渋々、起き上がり、風呂場へ行った。
( くそっ、あっちは既に、お休みモードかよ。 ったく、人の体を何だと思ってやがるんだ・・・! )
ぶつぶつ言いながら、ジャージを脱ぐ。
おっと、白いモノがチラつく。 いかん、いかん・・! タオルを巻いて・・・と。
・・・くそう! やっぱり納得いかん。 何で僕だけ、こんな面倒くさいコト、せにゃならんのだ!
僕は、ジャージのポケットから携帯を出すと、星野にメールを打った。
『 僕は、キレイ好きなので、必ず、フロに入って下さい 』
これでいいだろう。
・・・いや、まだ甘い。 再び、携帯を出し、追伸を打つ。
『 入らないと、アソコがムズムズして、かゆくなります 』
このくらい脅しておけば、大丈夫だろう。 あっちにも、僕と同じくらい、面倒を掛けてもらわなければ、不公平と言うものだ。
( いざ、出陣・・・! )
風呂場の勝手は、毎日の事なので、手探りで分かる。
とりあえず、バスタブに浸かろう。 入ってしまえば、何とかなる。
僕は、下着を脱ぐとタオルで目隠しをし、洗い場へ入った。 母の希望で、我が家の風呂場は、広めの作りになっており、これが幸いした。
掛け湯もせず、とりあえず着水。
やった、入れた! ・・って、凄んげえ、熱いじゃんっ!
「 ほほッ、うほほッ・・ うほほほォ~うッ・・! 」
今度は、バスタブから飛び出し、洗い場で飛び跳ねる。
「 熱ちッ、熱ッ、熱ッ・・ 熱ぅい~うあおっ・・・! 」
足を滑らせ、尻もちを突く。
タイル場での打撲は、結構痛い。( 経験者・談 )
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