紅朧
あとがき
あとがき①


 私は、元ネタとして落書きで一通り話を作ってから(または先行させながら)文章に書き下ろす人間だったのですが、「黒」はいきなり文章にしたお話です。私の頭の中にしかイメージはなく、むしろ絵にしよう思ったら、いまいち絵が決まらなくて捨てました、ってくらい。どうでしたか?紅朧と仁央のおはなし。
 我が家には猫がいます。耳と尻尾が茶色で、その他は白。あんまり綺麗じゃありません。その上、毛が抜けるので、私はまさにそいつを『毛嫌い』しているのですが、まあつきあいも長いですし、猫、動物を主人公にした話も書いてみようと思いまして(先日、猫の顔を思いっきり蹴ってしまいました…ごめんよ)。猫は昔から愛玩用として飼われていたようですよ。源氏物語の中じゃ、女三の宮が黒猫を飼っていて、その猫がきっかけで柏木は女三の宮の顔を見ることができた…んですよね?
 平安時代を書こう、と思ったのは何故でしょう。まあ、「青」を先に書いていたので、ちょっとは服装とか家の造りとか調べてあった(ボロボロぼろが出ていますけどね)、ということもありますが、憧れ、ますよね。キラキラしている時代。また、平安時代の、まさに平安な頃に人はこの平安が死んだ後にも続きますように、と考えたようです。浄土信仰ですね。そんなことを考えながら、カチャカチャとキーボードを打っておりました。わーわー言っておりますが、仏教世界に詳しいわけでもなく、お釈迦様?如来様?菩薩様?と疑問符だらけでしたので、蓮華御殿の方、とさせて頂きました。(ちなみに私の家は曹洞宗です。座禅を組む宗派。鎌倉時代に道元というお坊さんが広めた宗派なので、平安時代にはありません。)時代も割ときっちり決まっています。だいたい11世紀前半です。竹取物語の成立が901年-956年頃か、といわれていますので、そのおよそ100年後とお考え下さい。どんな時代かというと、ばっちり藤原道長の時代です(ふーん、全然出てこないじゃん)。摂関政治、ってやつですか。貴族の世の中ね。ちなみに源氏物語(が宮中に広まっていたの)が1008年の記録にあるそう(物語の設定は「いづれの御時にか~」とぼやかしてあるので)。仁央は「藤和様」「仁央様」と名前で呼ばれていますが、実際は職で呼ぶことが多かったそうです。じゃあ、仁央さんはなんの職かって…触れないでおきましょう(汗)。
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