治験
トイレから戻り、俺は再び席に着く。

「待たせたね、遠藤さん」

下卑た笑みを浮かべながら自分のコーヒーを一口飲み。

「!!!!!!」

俺は突然ガクンと体勢を崩す。

「な…あ…がはっ…」

体が、痺れる…!

燃えるように…熱い!

「村上さん!?大変、体調を崩されたんですか?」

どこか芝居がかった口調で、遠藤さんが俺の体を引き起こす。

「すぐに当社にお連れします。『精密検査』しないと!」

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