夜空に咲く僕たちの願い
「900円です」
「じゃあこれで」
俺は千円渡し、お釣りを受け取る。
そして二人の視線を気にしながら、隠れるかのように店を出た。
ちょうどその頃、店内に流れていたオルゴールは少し前に流行った失恋ソングだった。
自分の思い通りに全てが上手くいったらいいのに…
そうなったらみんな自分だけを幸せにするよね。
からんころん、とドアの音が鳴り外へ出た。
その時だった。
神様がまた悪戯をしたんだ。
「俊介くん?」
聞き覚えのある声が聞こえた。出来れば今聞きたくない声だった。
「…え?しょ…翔太??」
ゆっくりと横を見るとそこには翔太が不思議そうな表情をして立っていた。
…どうして…ここに?
血の気が引いていく。
きっと今の俺は真っ青な顔をしているんだろうな。
たぶん瑠花もだろう。
それ以上言葉が出なかった。