夜空に咲く僕たちの願い
ここまでじゃなかったら一体どこまでしていたんだよ、俺。
キスってこんなにも人をおかしくさせるんだ。
嫉妬もそうだけどキスの方が歯止めがきかなくなる。
でももっとしたくなるのは…俺だけかな。
その後二人で手を繋ぎながら、もう一度最後のシーンを見直した。
…これがはじめてのキスの想い出。
退屈しちゃったかな。
でも今でも胸に焼き付いている。
それからはマンションの下でキスをして別れるのが日課となった。
近所の人の目を盗んで一瞬だけのキスがスリルがあって幸せだった。
でもキスから先をどうしたらいいのか悩んでいて…
それを翔太に相談したら「そんなに焦らなくていいんだよ。お互いの気持ちが重なったらでいいんじゃない?ゆっくり待ちましょうよ」と言われた。
その言葉に励まされた俺は、瑠花と気持ちが一緒になったらにしようと決めたのだ。
そして季節は秋となる。
今年の秋は短いとニュースで言っていた。
それは外れてはいなかった。
秋の空気を感じられず、冬の空気となった。
運命が傾いていく。