夜空に咲く僕たちの願い
頬杖をつきながらグラウンドを見る。
照り返された地面はきらきらと輝いていた。
冬が近づいているのに最近気候がいい。
暖かくて本当に冬なのか?と思わせる。
「知らない場所ってどこ?」
翔太は髪の毛を触りながら聞いてきた。
先ほどは爪を見ていたのに今度は髪の毛か。
ポケットから鏡を取り出してチェックをしている。
忙しい奴だな、とそれを見て思っていた。
「場所は考えてないけど。一番行きたいのは星が見えるとこ。どこか泊まって夜に星を見ながら語る…とか」
「あ!だったらN県にいい場所があるよ。僕の前住んでいた場所だけどね」
この時翔太に聞いたあの場所を訪れたいと強く思った。
ここで肩を寄せながら星を見上げて将来のことについて語りたかった。
結婚式は夢の国でしよう。
子供は二人がいいな。
あ、でも何人でもいいや。
それで家族仲良く暮らしたい。
そう願うのはいけないことですか?