夜空に咲く僕たちの願い


すごい偶然だ。
久しぶりに会った百々花さんの髪の毛はばっさりと耳の下あたりまで切られていた。
何かあったのだろうか。



「…元気にしてた?」




「元気ですよ!そういえばあれからどうなったんですか?」



“あれから”とは雅也くんのことだ。
雅也くんは3月に卒業をする。大学は受かったはずだ
。全国模試で順位が良かったのか前に表彰されていたから。
瑠花と付き合いだして雅也くんは俺たちの前には現れなくなった。
そういうところが潔いというか大人だなと思った。


俺は持っていた雑誌を置いて百々花さんの顔を見る。
そして彼女は嬉しそうにこう言った。




「実はね…寄り戻したの。春から同じ大学に通って同棲するつもり…かな」




「え!?本当に!?それはおめでとう!百々花さん前に同じ大学に通って同棲したいって言ってたもんね!」






…悪魔が近づいてくる。
足音もたてずにあなたは卑怯だ。




「ありがとう!ずっと俊介くんたちに言いたかったんだけどなかなか言えなくて…」




俺は見てしまった。
百々花さんの照れて笑う奥にあの人を。
書店のドア越しに歩く二人の男女。
綺麗な女の人が笑いながら男について歩いている。




見違えるわけがない。
お前は……。






「……渓斗?」





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