夜空に咲く僕たちの願い


暗闇で目的のないままがむしゃらに走るのは俺だった。
出口を探しているつもりなのに見つからなくて、次第に走ってる理由すら忘れてしまう。

頭がズキンと唸った。




「俊介くん、さっきこの雑誌見てたよね?プレゼント考えた?」



百々花さんの声が徐々に小さくなっていく。
やばい、このままだとぶっ倒れる。




「百々花さん…ちょっとごめんなさい。体調が悪くて。今日はここで帰ります。また会えたらお話しましょう。本当にごめんなさい」




俺は百々花さんに謝り、ふらつく足取りで書店を飛び出た。
あの室内の暖房のせいで頭が痛くなったのも理由の一つだろう。
外の空気と中の空気の温度差が違いすぎる。
これじゃあの書店の中にいる人たちみな風邪を引いてしまう。
苦情がくるよ、そのうち。



俺は電車に乗り、自宅へ向かった。



瑠花からの連絡はまだない。
ちょうど良かった。
今の俺には返事を返す余裕などなかったから。


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