夜空に咲く僕たちの願い
マンションに着く手前の自販機で温かいココアを買う。
何となく糖分を摂取したくなった。
「寒い冬にはココアがいい」と瑠花も言っていたし。
ココアのボタンを押してそれを取る。
そしてマンションに入っていった。
自分の部屋のカギを回すとき、ちらりと隣の渓斗の部屋を見る。
帰ってきていないよな。
もし今、部屋から出てきたら「やはりあの光景は嘘だったんだ」と納得できるのに。
でもそんな願いは冷たい北風に拐われていった。
今日は母さんは夜勤だった。
だからリビングのテーブルには今日の夕飯がラップされて置いてあった。
メニューはカレー。
母さんのカレーは美味しいから毎日食べても飽きないのだけど…何だか今日は喉が通らない。
部屋の明かりを点けてベッドにダイブする。
天井を見上げて溜め息を溢した。
なぁ、渓斗。
お前は一人で生きていこうとしてたよな。
そんなの無理に決まってるだろ。
人間は一人でなんか生きられないのだから。