夜空に咲く僕たちの願い


誰かと出逢って、誰かに恋をして。
誰かに愛されて誰かを愛して。愛する人と結婚して、愛する人に見送られて人生を終える。

人間はこの道を誰もが進んでいるんだ。


始めから終わりまで人間は一人じゃない。
誰かと関わるから涙を流し、笑顔が溢れる。


渓斗の心の闇は?
俺には知られたくない?



真っ白な天井に何を思おう。
ショックすぎて考えが浮かばない。
あの女の人は?だれ?


やっぱり気になる。
俺はカバンの中から携帯を取り出して、渓斗の番号を探す。
液晶画面に映る番号に通話ボタンを押すのを少し躊躇したが、思いきり押した。

このモヤモヤを消すために。


着信コールから渓斗の声に変わったのは30秒ほど経ってからだった。




『…もしもし?』




「あっ渓斗か?お前さ…今どこにいんの?」





一瞬、空気が凍りついた気がした。




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