夜空に咲く僕たちの願い


初めてそんな姿を見たかもしれない。
体は硬直し、息をする音だけが聞こえてきた。



「なんだよ…」



「俊介は何も分かってないな。俺にだって人に言えない悩みだってあるよ。気づかなかっただろ?俺の中にある心の闇」




「…えっ…」




「別に言うつもりはない。誰かに言って直るものじゃないからな」




渓斗は何を言っているのだろう。
そんな怖い顔をしてどうしたのだろう。
心の闇?それは何?
人には言えないこと?
なんだよ、それ。
今まで黙っていたのか?


俺たちがいたのに?



無意識に零れた言葉は渓斗の繊細な心に傷を負わせてしまった。
無神経でごめん…




「ごめん…そんなつもりじゃなかったんだ。何て言うかつい…」




「いいよ、別に。気にしてないし。俺もさっき怒鳴って悪かった。席に行くわ」




小さく笑ってこう言い、自分の席に渓斗は戻っていった。




渓斗の悩みって何だろう。





< 70 / 406 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop