白球追いかけて
「ああ、どうも。ねえちゃん優しいなあ。べっぴんやし、ええ嫁さんになるで。おっちゃんのヨメは気がつかんやつやけどなあ」
「いえ……」
「最近おなかも出てきて、ココロの神経ちゅうもんが脂肪で包まれてんねん。―あかん、あかん。ヨメにこんなこと聞かれてたら、家帰らせてもらえへんわ。はっはっはっはっは」
 真田さんが冗談を言っていると、そこに、
「よっ!!」
 と練習帰りのシータが登場。ヨシナは、病室に入ってきた日焼けした男の子を目で追った。
 そのすぐあと、ジュースを買ってきたケメが帰ってきて、シータに軽く会釈する。
 珍しい訪問者に、オレがベッドから起きようとしたら、しびれるような激痛が走った。
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