三階小児病棟・FINAL(5歳の初恋)
―手術―
まー君が手術室に運ばれて行く間、お母さんはずっとまー君の手を握っていた。
手術室前まで来ると、まー君は…
「お腹のばい菌いなくなったら、いっぱいご飯食べて、早く大きくなって、働いてママ助けてあげるね」
涙を堪えながら、まー君が手術室に入って行くのを見送った。
5歳のまー君から父親譲りの男らしさをかんじた。
手術中の電気が点され、まー君の手術が始まった。
お母さんは手術室の前の椅子に腰掛けると、瞬きをするのも忘れるほど、手術中と点った明かりを見つめていた。
気がつくと、ほんの数秒だろうか?意識が薄れ、目の前にまー君が立って手を振っていた。まるでバイバイをする時の様に…
ハット我に返り明かりが消えたのに気づいた。
暫くすると中から医師が出てきて微笑みながら、手術の成功を告げた。
母親はその場に座り込んだ。
病室に戻り、すやすや寝てるまー君は、やはり5歳児のあどけない寝顔をしてた。
それから数時間後、そろそろ麻酔が切れる時間になった。
ところが、まー君の意識が戻らない!
昏睡状態になり、血圧が低下した。
まー君はICUに運ばれた。