JKママ
どれほど深く悩んでも、もやもやした気持ちが纏まりを為す事も、気分が明るくなる事も無かった。




「ねえ、美野里……。」

「ん?何?」


昼休み、弁当箱を広げながらあたしは隣に腰をかける戸吉美野里の名前を呼んだ。




あたしと、巴、美野里、そして河野歩夢は同じクラスで仲が良い。

その為、いつも4人で居る。





学校の屋上は鍵がかかっていて普段入る事が出来ないが、造型が得意な歩夢が鍵の偽物を造り、ひそかにここに出入りしている。


紺碧の空を見上げながらあたしは眼を細めた。




「美野里ってさ……、確か涌井高校に知り合いいたよね。同じ、中学だったっけ……?」


彼女は卵焼きを口へと放る。




「うん、いるよ。何で?」

「じゃあさあ、結城愛って子知ってる?」





何故、という疑問は聞き飛ばし美野里の瞳を一直線に見つめながら、今までにないくらい真剣な表情であたしは聞いた。



「え、し、知らないけど……」

「…本当に?」

「うん」



あたしは深く溜息を吐く。


「ちょっと、ちょっと~、如何したの詔。何か今日おかしいじゃん。」



歩夢が首を傾げる。

3人ともあたしを心配してくれていた。巴は、あれから何も聞いてこなかったが、怪しんでいるだろうに、あたしのことを気にかけてくれている、それはとても有り難く、嬉しかった。




だが、幾ら大切な友達とは言え、あんなヘビーな話は出来ないのが事実だ。


「何言ってんのー。あたしは何時もと同じ、同じ!」




これ以上彼女達を心配させたり、弱った雰囲気を出さないように精いっぱい努力することを決めた。
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