涙は華のように
「あのね 零蒔」

「ん?」

「私まだ零蒔に話してない事があるの…
聞いてくれる??」

「なんだ?」

「私の両親中3の時に交通事故で亡くなっちゃって
私には兄妹がいないから一人暮らししてるの」

本当は寂しくて寂しくてたまらない。
だから 零蒔がすごく羨ましい。

零蒔はさっきよりも強く抱きしめてきた。

「涙華 お前には俺がいる。
 亜嗣汰だって零羅だっている。
今のお前は一人じゃない。

寂しかったらいつでも言え。
一緒にいてやる。」

零蒔って本当にすごい。
たった一言で私を安心させちゃうんだから。

「夜寝れなかったら電話していい??」

「あぁ 家にだっていってやる。」

「零蒔…」

「ん?」

「…すき」

「俺も…」

私たちの唇がそっと重なった。

何気にこれが彼との初キス
だから少し照れくさかった。


だいぶ暗くなってきたころ
零蒔がバイクで家まで送ってくれた。

「じゃあ また明日ね」

「涙華」

振り向くと 不意打ちでキスされた。

「零蒔///」

余裕の笑みを浮かべ
私の頭をそっと撫でると
去っていった。
< 44 / 48 >

この作品をシェア

pagetop