19の夏~私の愛した殺人鬼~

☆☆☆

 ご自慢の箸まで奪われ半べそをかいている時間から、少し話しを巻き戻しそう。


「なんだあれは……」


 幸也は目の前に広がる光景に唖然として呟いた。


「手が……っ!」


 沙耶香が、おびえた声を出す。


「あれが、ネコの能力の使い方だ。死者を見る。

三つ目の瞳――」


 それは、あいつの手の甲に隠されている。


 冬堂の言葉を掻き消すように、爽香が悲鳴をあげ、幸也の胸に顔を埋めた。


 三人の前には、ネコの姿。

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