19の夏~私の愛した殺人鬼~
といっても、死体は綺麗に化粧までされて、昌代の口元は微かな笑みさえ見せていた。
それが作られたものだと分かっていても、苦痛などない幸せな死だったのかと思ってしまいそうだ。
「あなた、誰?」
由佳子の声にハッと我に返って振り返る。
そこには、めくり取られた布を左手に持った、長身の男が立っていた。
紗耶香はその男の顔を見ると、
「あっ!!」
と、霊安室に響き渡るような大きな声を上げた。
ごく最近、見たことのある顔。
専門学校で、『邪魔なんだよ』と冷たく言いはなってきた、その男だったのだ。