19の夏~私の愛した殺人鬼~

 新田がトイレから戻ってきたのは、藤堂が式場の中へ入ってからのことだった。


 手にはパンとコーヒーの入ったレジ袋か握られていて、会場のすぐ隣にあるコンビニまで行ってきた事がうかがえた。


 元の駐車場へと足を踏み入れる、その瞬間。


 新田はある人物に気付き、歩調を止めた。


「何だあれは」


 駐車場に停めてあるバスのすぐ横で、式場の入り口を凝視している男がいる。


 男の服装は葬式にきたとは思えない濃いブルーのTシャツにジーンズという格好で、ここにはあまりにも不似合いだった。

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