19の夏~私の愛した殺人鬼~
☆☆☆

 クーラーをガンガンにきかせた車内で、カクンッと頭を垂れた瞬間、藤堂は目を覚ました。


 アゴにつたうヨダレをスーツの袖でぬぐい、キョロキョロと辺りを見回す。


 真夏の太陽を物ともせずに冷え切った車内で、いつの間にか居眠りをしていたらしい。


 窓の外に目をやるとそこにはもう紗耶香の姿はなく、腕時計を確認するとあれから一時間ほどが経過していた。


 その時間に目を丸くし、


「新田さん!」


 と、隣にいるはずの新田に振り向く。


 しかし、そこはもぬけの殻だった。


 どうやら自分が爆睡している間に葬式も始まり、気付けば新田もいなくなってしまったようだ。


声くらいかけてくれればいいのに!


 心の中でそうグチを零し、藤堂はキーを抜いて車を下りた……。



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