19の夏~私の愛した殺人鬼~
男はその声にハッと気付き、一瞬新田と目が合った。
その瞬間、並んでいるバスに見え隠れしながら、走り出す。
「待て!!」
怒鳴り声を上げて男の後を追う新田。
藤堂はどこだ?
もう合図は送っている。
なのに、藤堂の姿が見えない。
男はグングン速度を上げて新田を引き離す。
「逃げるな!!」
そう言われて止まる人間は、まずいない。
しかし、叫ばずにはいられない性分なのだ。
男は駐車場を飛び出し、大通りを走りぬける。