19の夏~私の愛した殺人鬼~
テープをくぐったその向こうには少しだけ開けた場所があり、その中央部分にドラマでしか見たことのない、人型のフィンガーペイントが残されていた。
その現実を突きつけられた瞬間、紗耶香は軽いメマイに襲われ、その場にしゃがみこんでしまった。
持ってきた白い花が、悲しげに風に揺れる。
絞殺のため、辺りに血が飛び散っていなかったのは幸いだった。
生々しい血痕などが残っていたら、メマイ所ではすまなかったかもしれない。
「お姉ちゃん……」
しゃがみこんだままそのペイントを指でなぞり、呟く。
式の最中では殺されたという重すぎる事実が涙を妨げていたが、今になって目の奥がジンジンと熱くなる。
そんな紗耶香の頬に涙が流れた……その、瞬間。